全日本学生大会2021と自分の事(2003〜2021)②
入学から半年ほどが経ち、授業はそれなりに進んだはずなのですが、相変わらず学校の授業は小学校・中学のレベルから抜け出していません。そして自分もその授業に着いていけたり行けなかったり...
窓の外を見ながら「今頃中学の友達はどんな生活を送っているのかな?」などと考えますが、時間とともに彼らとのレールからはジリジリとかけ離れていく事を実感します。彼らは僕がこうしている間にも着々と社会に認められる学力を手に入れて、数年後はいい大学に行くんだろうななんて考えては毎回世間との乖離を感じていました。
そんな事もあり、中学時代に好きだった子とも次第に連絡を取ることも無くなり、外界とのかかわりも徐々に無くなっていくのでした。

ー高校最後の年ー
ただ、そんな高校生活も悪くは無かったと思います。
・新人の教員に持ち回りでビンタする遊びを生み出すバカ。・僕を引きずり回すバスケ部のヤンキーの先輩(今でも仲良いし実は結構面倒見いい)。
・母親の彼氏が元893という当時付き合っていた彼女。(肩書きが凄い)
名前を書ければ入れる学校。これはこれで悪くはなかったのかもしれません。
そして高校3年間で、僕は一人だけまともに話の分かる先生を見つけていました。
僕はその先生が何故こんな学校で、「猿を相手にバナナの取り方」を教えているのかは全く分かりませんでしたが、まだやる気のある生徒を集めては、放課後に「基本情報処理試験」の授業をしてくれたりしていました。
その先生は僕が「将来ロボットを作りたい」と話すと、休日にも関わらず「熱田の森ロボット競技会」というロボット大会へ見学に連れて行ってくれると言いました。
ー伊勢湾岸の思い出ー
休日に先生に連れられて高校のある三重の田舎から高速に乗って、伊勢湾岸を通りました。凄く天気が良かったのを覚えています。伊勢湾岸自動車道の三角のデカいやつを潜る度に田舎から都会の雰囲気に近づいて、自分の知っている世界が切り開かれていく感じがしました。

車の中で先生に言われた事を今でも覚えています。
「ウメモトは普通の仕事は向かないと思うよ」
「お前が営業とか事務仕事してる姿想像出来ないもん」
「もっとこう、自由にやれる研究開発とかそういう仕事が向いてると思うよ」
助手席でそれを聞いた僕は「なんて無責任な言葉なんだ!」と思いました。僕の学歴と学力でそんな自由に何かが出来る職種に就けるわけがないじゃないか!むしろ今までの卒業生の職種くらい先生も知っているだろう!それこそ高学歴のほんのひと握りのやつだけがそういう仕事に就けるのに対して、僕はこれからどんどん落ちぶれて地獄の道を行く予定なんだ!
と。
ー熱田の森ロボット大会ー
そして、そんなこんなで伊勢湾岸自動車道を通り、大会会場へ到着しました。現地で見た光景にはショックを受けました。会場には高校生や大学生。社会人の人達もいて雑談をしたり、中には忙しそうに走り回っている人が沢山います。そして中央に設置された競技用のコースには完全自律走行のロボットがビュンビュンと走っています。
走っているマシンは、競技者によって競技用に極限まで最適化されたマシンで、付き添ってくれた先生からは「彼らは電子回路基板から完全にオリジナルで設計していて、中の走行用プログラムも全部自分で書いている」といいます。

今までプラモデルなど、誰かの特色や導いた手順書通りに組み立てる系のモノづくりなどに全く魅力を感じ取れなかった僕にはそのステージと光景はそれはそれはキラキラして見えました。
そして中でもアニキと呼ばれる人物は一際目立っていました。先生によると、彼は高学歴で有名大企業に勤めており、その彼の作るマシンは皆、少しでもの情報を聞き出す為に、こんな風に彼の周りには人が集まっている。彼はいろんな企業の人から引っ張りだこだろね。と教えてくれます。
確かにどこへ行くにも人がくっ付いているように見えます。
そして彼の出走順になると「今日は全日本大会優勝機を持ってきた」などと競技司会者のマイクを奪って話始めました。当時の自分にはこの業界のトップに君臨する、彼のその振る舞いは凄くカッコ良く、また周りの彼に対する社会的評価も頗る高く感じ取れます。それと同時に「自分とは住む世界が違うんだな」今頃こんなのものを見てしまっても。と自分の無力さと小ささを改めて噛み締めました。
ー夜ー
大会の見学を終え、家のパソコンで大会について調べてみました。すると例の凄い人のブログが出てきました。ブログを読み漁って居るとこんな記事が出てきます。
(競技中に話していた全日本大会についての記事)
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【試走日】
K氏の新型機の性能を確認し,ヤバイと確信した.
やはり今年は試走に参加できて良かったと思った.
特にK氏の新型とはコースの相性次第といった感じになってしまった.そんな中でも優勝することが出来,大変うれしく思います.
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どうもk氏と言う人物も高学歴で大企業務めのハイスペックエンジニアのアニキと同じくらいヤバ人とお見受けしました。凄いなアニキもk氏も。日本を代表する企業達は本当にこぞってこの人たちを欲しがるんだろうなと思いました。会社のリクルートする人達はみんなアニキのブログを見てたりするんじゃないかな笑 なんて考えてたりもしました。そしたら強いエンジニア見つけ放題だし…なんて。
アニキのブログを一周見終わった後、大会の競技規定を見てみます。なかなか文字が多くて内容はあまり理解できませんでしたが「大会の評価基準は走行タイムのみ」と読み取ることが出来ました。
少し理解するのに時間がかかりましたが、つまりは こういう事です。
純粋に自分が作ったものだけで勝負を行い、0.001秒でも早いタイムを出した人物が、どんな大企業も欲しがる、「スーパーエンジニアの称号」を得ることが出来る。と
そこには学歴や5教科のテスト。誰かからの曖昧な評価も評価基準に含まれていないのです。
僕はその事を理解した時、今まで心の奥底にあったモヤモヤや違和感。分かってもらえない気持ちが全て武者震いに変わるのを確実に実感しました。
今までの想い出が脳内を駆け巡ります。
小学校の図工の授業。乾電池とモーターをつけて走らせる教材。当時は「こういう時だけ調子にのって」と教員や周りに目がつけられる事が嫌で、あえてやらない様に手加減していた事。自分の作ったモノに対し全く工学的に的外れな事言う勉強の出来る奴ら。「勉強が出来ないと偉くはならないよ」というおばちゃん。行きたかった高校に自分ではなく何となく志望したあいつが推薦状を貰っていったこと。諦めろと行った教員。
今まで押さえつけていた全ての悔しさやイライラがこの瞬間に爆発しました。
つまり。
こいつら全員。
倒したら。
ええんかな
ほなもうお前ら。
分かるよな
3へ続く


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